[レポート] Mortal Kombat 1を数百人規模にスケールアップ(GAM307) #AWSreInvent
ゲームソリューション部の えがわ です。
AWS re:Invent 2023の BreakOut セッション「Scaling a multiplayer game into the millions with Mortal Kombat 1」のセッションレポートをお届けします。
動画
最初にまとめ
- 最近の調査によると2025年には13億人以上がオンラインゲームをプレイするようになる
- プレイヤーの増加にあたり、10年前からゲームサービスプラットフォーム「Hydra」を開発している
- 今後も革新的なユーザー体験を届けるためにAWSと協力し投資も惜しまない
内容
最近の調査によると、2023年には世界で32億人、人口の40%がビデオゲームをプレイすると予想されています。
2025年には13億人以上がオンラインゲームをプレイするようになるとみられています。
このような市場拡大を見据え、プラットフォーム、コスト、セキュリティなどの様々な側面をどのように考えていくべきかが重要なポイントとなります。
設立から20年が経過し、以下のような課題に直面しています。
- つながりのある体験の提供
- ファンを喜ばせるコンテンツ作り
- プレイヤーの注目を集めるための競争力あるゲーム作り
- できるだけ多くのファンにゲームを届けたい
これらの課題にどのように取り組んできたかをご紹介します。
10年以上かけて構築してきたバックエンドプラットフォーム「Hydra」があります。
ゲームごとにカスタマイズすることで、開発速度を上げながら、プレイヤーが気に入る新機能を提供できるようになっています。
UnityやUnreal Engineへの対応も継続的に行っています。
Hydraには開発者向けの管理システムも搭載しています。
過去にはマイクロサービス方式で運用していましたが、プラットフォームやゲームの運用において、サービスの更新が複雑になる課題がありました。
そこで1つの大きなモノリシックなサービスに移行することで、機能追加のスピードが上がりました。
データベースとしてはMongoDBをメインのデータストアとして全データを管理しています。
一時データの保存にはRedis、検索機能にはElasticSearchを使用するなど、用途に応じてデータストアを使い分けています。
負荷試験では、発売前にAPIの使用率レビューを行うとともに、ユーザーの行動データに基づいたテストを作成しています。
予測結果をもとにプレイヤー数や目標値の調整を行い、EC2インスタンス上で負荷テストを実施しています。
最終テストは実際のプレイヤーの挙動を反映したものを使用しています。
リリースの3か月前から長時間のテストを実施しており、必ずブレーキングポイントが見つかるようにしています。
AWSを活用することで、ゲームチームの要求に応え、プレイヤーに信頼性の高いゲーム体験を提供できるようになりました。
時間を製品とサービスの革新に注ぐことができるようになり、世界規模での高品質なサービス提供を実現できています。
今後もAIや機械学習の活用によりコミュニティ機能を強化していくとともに、革新的なファン体験を提供し、ゲーム開発効率の更なる向上を目指します。
最後に
ゲーム業界が抱えるスケーリングの課題と、それに対する技術的アプローチを垣間見ることができました。
複雑化する運用を効率的に管理している点が興味深かったです。
ゲームの可能性を最大限に広げるインフラ基盤がオンラインゲームの鍵を握っていると感じました。